選考理由
これまで理想とされてきたグローバルシャッター方式をいち早く採用したミラーレスカメラ*1。画面内の全画素を同時に露光できるようになったことで、従来の電子シャッター撮影で発生していた動体の歪みを排除。決定的な瞬間を捉えるスポーツや野生動物の撮影に最適な1台として多くの票が集まった。フラッシュ撮影も1/80,000秒まで全速同調可能*2となったほか、同社初のプリ撮影にも対応。写真表現の可能性を広げる技術的革新であり、今後の普及機クラスへの展開を期待する声もあった。加えて、従来機種からの大型化を最小限に抑えつつ細部形状をリファインし、道具としての使いやすさに手が加えられた点も評価が高かった。
*1 レンズ交換式デジタルカメラとして。2023年11月発表時点。ソニー調べ。
*2 Ver.2.00以降のファームウェアにて、連続撮影時もシャッタースピードの上限が1/80000秒までになった。F値が1.8より明るい設定で撮影すると、シャッタースピードが上限1/16000秒になる。高分解シャッター機能使用時、レンズ未装着時はシャッタースピードは1/80000秒にならない。
選考理由
画面周辺部まで口径食を感じさせない丸ボケを保った描写を「Plena」(プレナ)という固有名称で表現。ボケの美しさだけでなく、ピント面のシャープさと立体感も併せ持つ点が、多くの選考委員に評価された。Plenaは「空間が満たされている」という意味のラテン語Plenumに由来するが、この描写特性をデジタル補正に頼らず実現した設計者の哲学やこだわり、ファインダーを覗いただけで感動したという撮影体験から、“心まで満たされた”とのコメントも寄せられた。
投票理由(一部抜粋/編集)
・ワクワクさせてくれるカメラ
・ゲームチェンジャーとなったカメラ
・世界初のグローバルシャッター搭載ミラーレス機で新しい歴史を作ったカメラ
・フラッシュ同調速が、もはや異次元レベル
・グローバルシャッターによる歪みのない画像、秒間120コマ、全シャッター速度に同調するフラッシュ。今まで不可能だったものが撮影できる
・ハイスピードで動くモノに追従が画期的だったから
・他社製品の追随を許さない驚異の開発力
・世界に誇れるカメラである
・グローバルシャッター初搭載という先進性に期待します。早く普及帯の製品にも搭載してほしい
・カメラの次の世界を切り拓いた
・プロ野球撮影が趣味なので、メカシャッターから開放される世界を体験してみたい…
・グローバルシャッターをいち早く民生品に取り入れたこと。その割に価格が極端に高額になっていないことも評価に値すると考えます
・ミラーレスの新たな時代に入った画期的なカメラ
・従来のカメラとは全く異なるシャッター形式を取り入れ、写真の未来を変革する機種となると思ったから
投票理由(一部抜粋/編集)
・圧倒的、玉ボケが美しい
・周辺部までも完全な丸ボケが実現されている
・メーカーの担当者(技術者)が、とことん描写とボケに拘って作ったことが伝わる
・並ぶものの無い描写力
・質感もよくこのレンズが生み出す美しい色、美しいボケは他社の同じ規格のレンズと比較しても1番素晴らしい表現力だと思います
・高い光学性能を盛り込んだレンズ。開放での口径食の少なさ、色収差の少なさなどの光学性能の高さはグランプリにふさわしい
・他のレンズメーカー製の135mm単焦点レンズと一線を画す玉ボケの綺麗さがある
・Plenaという名前が良い
・使ってみて、ただただ驚いた
・玉ぼけの美しさが際立っている。このレンズを使いたいのでミラーレスに変える気になった
・写真を撮った時に、腕が上がったように感じさせる優れものレンズだから
選考理由
INSTAX“チェキ”シリーズで最小となる手のひらサイズのデジタルカメラ。別売のスマホプリンターなどと接続してチェキプリントにできるだけでなく、スマホアプリとの連携により、チェキプリント風のフレーム付き画像をSNSにシェアしたり、リモート撮影やオリジナルシャッター音の設定も可能。1万円台という手頃な価格で、若者を中心とした新規層に写真の新しい楽しみ方をアピールする斬新なパッケージングを評価した。
選考理由
定番のジンバル一体型カメラが1インチセンサーを搭載。片手で撮れる使いやすさをキープしながら、1/1.7型センサーの従来モデルより画質が向上。さらに高品位な4K動画を撮れるようになった。カメラバッグの隅に入れて持ち歩けるコンパクトさ、専用ワイヤレスマイクをセットにしても10万円を切る価格は、動画撮影をより多くの人にとって身近なものにすると評価した。
選考理由
ニコンZ 8(同Z 9 *3)のファームウェアアップデートで搭載された「オートキャプチャー」。AIによる被写体検出機能や、距離・動作検知を掛け合わせることで、カメラが自動でシャッターを切るという新しい撮影体験を提供する。従来のプリキャプチャ―機能と合わせて使うこともできるなど、設定した条件を満たすことで自動でシャッターが切れるので撮り逃しもなく、写真家が思い描いた瞬間を捉えることができる。撮影者がカメラから離れられることで野生動物にプレッシャーを与えずに撮影できるなど、これまでは特殊なシステムを組み上げる必要があった撮影を手軽に行えるようになった点を評価。
*3 Z 9には2023年6月のファームウェアアップデートで搭載。
選考理由
自らも山岳写真家である佐久間博社長が、“山と写真を知り尽くした安全設計”を掲げて1982年に創業。誠実な物作りで質実剛健なラムダのカメラザックは、多くのプロ写真家をはじめ山岳・風景写真愛好家を中心に熱烈に支持され、その撮影をサポートした。2023年8月末の終業まで、40年の長きにわたり続けてきたそのカメラザック製作活動に対して。