カメラグランプリ2018 (大賞・レンズ賞)の各選考委員の投票内容はこちら。
選考理由
今後のカメラの可能性を感じさせる歴史的な一台。35mm判フルサイズ撮像素子を採用したミラーレス機として高い性能を持つ。メモリー内蔵35mmフルサイズ積層型CMOSイメージセンサーの高速読出しにより、メカシャッターではなく電子シャッターをメインとして使うミラーレスカメラの可能性を示した。それにより電子シャッターでありながら 歪みの少ない像で、無音撮影でのAF/AE 追従最高20コマ/秒の連写と電子ビューファインダーのブラックアウトをなくすことを実現している。AF性能も高く、画面の約 93%をカバーする693点の像面位相差AFによる精度は高く、また人の瞳を認識しフォーカスを合わせる瞳AFの追従性も高い。ミラーレスカメラの印象を根底から変え、静止画でも動画でもこのカメラだからこそ撮れるもの、撮影シーンがあると感じさせられる。プロの用途にこたえるカメラ。選考委員の多くがその先進性を高く評価した。
選考理由
高い解像力とボケの質の両立を目指した開放F1.2のシリーズの中でも現時点で最も広角の大口径レンズ。広角レンズでも使いやすい画角である一方で、開放F1.2による浅い深度を楽しめる。メーカーが真正面から取り組んだボケは、本格カメラとして期待できる量があり美しくにじむ描写。撮影者の想いを託せるレンズになっている。ハイコントラストで高い解像感は、絞り開放から使える描写なのも魅力。レンズ構成の複雑さを感じさせない自然な描写で、撮像素子が小さくレンズの実焦点距離が短くなるマイクロフォーサーズの表現の幅を広げる。同社のボディーと組み合わせた際にAFレンズとして、確実なフォーカシングが可能。卓越した描写であり極みの一本。
光学ファインダーを用いるデジタル一眼レフカメラとしての完成形。クイックリターンミラーを装備した名機として歴史に残るカメラ。有効4575万画素という超高画素でありながら、高い次元で高速性能と高感度性能を実現。上位機と同じAFシステムによる確実で高速なフォーカスに加え、ボディー単体で約7コマ/秒、マルチパワーバッテリーパックMB-D18とLi-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL18bまたはEN-EL18aを組み合わせれば最高約9コマ/秒の高速連続撮影を実現。低感度から高感度も高い画質であ り、オートホワイトバランスの精度も高い。一点突破ではなくすべての面でバランスがとれており、報道やスポーツ、ポートレート、鉄道、風景などジャンルを問わない万能性を高い次元で実現している。丁寧な作りで思い通りに操れるスムーズな操作感も魅力。一眼レフとしての機能と使い勝手を磨き上げ、一眼レフの矜持を見せてくれた。写真愛好家が憧れる一眼レフとして仕上がっている。
選考理由
LUMIX G1(2008年発売・第20回カメラ記者クラブ賞受賞)からはじまったミラーレスカメラの10年目に登場した写真愛好家を意識した最上位モデル。本格的なスチルカメラのハイエンド機として、性能を向上させた意義があり、従来モデルから成熟してきた。静止画を撮るという行為に対して細部まで作り込まれていながら、LUMIXらしい4K/6Kフォトといった最新機能が取り入れられている。作り手が写真に向き合ったことが感じられる真面目なカメラであり、マイクロフォーサーズ機として完成度が高く、これからの実用的なデジタルカメラの方向性を示している。高速連写性能、AF性能など、シーンに応じた撮影に適応できる意欲的な一台で、写真撮影者にとって最高にちょうどいいカメラといえる。